RAID5の記録方式に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア 複数の磁気ディスクに分散してバイト単位でデータを書き込み,さらに, 1台の磁気ディスクにパリティを書き込む。
イ 複数の磁気ディスクに分散してビット単位でデータを書き込み,さらに,複数の磁気ディスクにエラー訂正符号(ECC)を書き込む。
ウ 複数の磁気ディスクに分散してブロック単位でデータを書き込み,さらに,複数の磁気ディスクに分散してパリティを書き込む。
エ ミラーディスクを構成するために, 磁気ディスク2台に同じ内容を書き込む。
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正解:ウ
解説:
複数の磁気ディスク装置を1台のように扱う技術としてRAIDがあります。RAIDはその性質と役割により以下のように分類されています。
RAID-0(ストライピング):複数の磁気ディスク装置に分散してデータを書き込むことで速度を向上させます。(信頼度は低下します)
RAID-1(ミラーリング):複数の磁気ディスク装置に同じデータを書き込むことで信頼性を向上させます。
RAID-2:データ記録用の磁気ディスク装置2台と修正コード用磁気ディスク装置3台が最小の構成となっています。信頼性は向上しますが、最低5台の構成要件と速度が低下する仕組みであることから現在採用されているケースは極めて稀です。
RAID-3:データ記録用の磁気ディスク装置2台とパリティ用磁気ディスク装置1台が最小の構成となっています。RAID-2では最低5台の装置が必要ですが、RAID-3では3台が最小構成要件になっているので効率が良くなっています。RAID-2の修正コード(ECC)をパリティに置き換えることで高速化も図っています。ただし、RAID-5より優位な点はないためRAID-2同様に採用されるケースは極めて稀です。
RAID-4:データ記録用の磁気ディスク装置2台とパリティ用磁気ディスク装置1台が最小の構成となっています。RAID-3の改良型とも呼べるのがRAID-4です。RAID-3ではデータをビット(もしくはバイト)単位で分割しますが、RAID-4ではブロック(もしくはセクタ)で分割することにより効率を良くしています。ただし、RAID-5より優位な点はないためRAID-2同様に採用されるケースは極めて稀です。
RAID-5:最低3台で構成され、それぞれの磁気ディスク装置にデータ記録とパリティ記録が分散して記録されます。RAID-4までのように修正用(パリティ用)の専用ディスクを持たないことが特徴でRAID-0の分散化による高速性とパリティによるデータ修復が可能な信頼性を併せ持つ現在主流の考え方です。最小構成3台のうち1台の故障まではデータ修復が可能ですが、2台以上が同時に壊れた場合にはデータ修復ができません。
RAID-6(以上):パリティを2重に生成し同時故障2台までの耐性を持たせてものをRAID-6、3重にして3台までの故障に耐性を持たせるとRAID-7と呼びます。RAID用の磁気ディスク装置は基本的に同じ性能のものを使うとされているので、経年劣化による故障発生時期が重なり2台以上が同時に壊れるリスクがあるためより重要なデータの保存などに利用されることがあります。
ア.RAID-3の説明です。
イ.RAID-2の説明です。
ウ.RAID-5の説明ですので正解です。
エ.RAID-1の説明です。
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