(IP)H30年春 問09

A氏は, インターネット掲示板に投稿された情報が自身のプライバシを侵害したと判断したので, プロバイダ責任制限法に基づき,その掲示板を運営する X 社に対して, 投稿者である B 氏の発信者情報の開示を請求した。このとき, X 社がプロバ イダ責任制限法に基づいて行う対応として,適切なものはどれか。ここで, X 社は A氏, B氏双方と連絡が取れるものとする。

 A氏, B氏を交えた話合いの場を設けた上で開示しなければならない。

 A氏との間で秘密保持契約を締結して開示しなければならない。

 開示するかどうか, B氏に意見を聴かなければならない。

 無条件で直ちに A氏に開示しなければならない。

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正解:ウ

解説:
プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)はプロバイダ(ここではISPだけでなく広く掲示板やブログの管理者も含まれます)が負うべき責務と範囲を明確するための法律です。

本問の場合、プライバシー侵害を受けたA氏が掲示板を運営するX社に対して発信者情報の開示を求めることができます。x社はB氏に対して開示するかどうかを確認します。仮に開示を拒否した場合でもx社はB氏に対して確認作業を行ったので賠償責任は発生しません。ただし、その際はA氏は情報開示請求の裁判を起こすことが可能となります。

プロバイダ責任制限法 第4条 第2項
開示関係役務提供者は、前項の規定による開示の請求を受けたときは、当該開示の請求に係る侵害情報の発信者と連絡することができない場合その他特別の事情がある場合を除き、開示するかどうかについて当該発信者の意見を聴かなければならない。

 

ア.プロバイダ制限責任法に3者協議を促す規定はありません。

イ.情報開示に際して秘密保持契約の規定はありません。

ウ.正解です。上記解説もご参照ください。

エ.B氏の意見を聞く必要があり無条件での開示義務はありません。非開示の場合はA氏は情報開示請求の裁判を起こすことが可能です。

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