(IP)H30年春 問10

著作物の使用事例のうち,著作権を侵害するおそれのある行為はどれか。

 音楽番組を家庭で DVD に録画し, 録画者本人とその家族の範囲内で使用した。

 海外の Web サイトに公表された他人の闘病日記を著作者に断りなく翻訳し,自分の Web サイトに公開した。

 行政機関が作成し,公開している, 自治体の人口に関する報告書を当該機関に断りなく引用し,公立高校の入学試験の問題を作成した。

 専門誌に掲載された研究論文から数行の文を引用し,その引用箇所と出所を明示して論文を作成した。

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正解:イ

解説:
著作権は創造された著作物にたいする権利の保護を目的としますが、著作権の及ぶ範囲と例外の規定があります。

  • 個人(家族等を含む)の複製は複製権の侵害にならない。(これによりテレビ録画は合法な行為と言えます。)
  • 著作物の一部を出典や著作者を明示して正当な引用を行う場合、著作者に許可を得る必要はありません。
  • 公文書(経済白書、法律、判例等)には著作権がないものとされます。
  • アルゴリズムやプログラム言語、実験、料理のレシピなど思想が反映されないものには著作権はありません。

ア.個人使用の範囲なので著作権(複製権)の侵害には該当しません。

イ.他人の著作物を勝手に翻訳して公開する行為は著作権(翻訳権)の侵害になります。

ウ.公的機関の刊行物には著作権がないとされます。

エ.正当な引用なので著作権侵害には該当しません。

 

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