情報リテラシー

今朝ほど関西地方で大きな地震があったようです。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。しばらくは警戒も必要かと思いますのでご苦労も多いことと思いますが心を強く協力しあって現況に対処されることを願っております。

以前から書こうと思っていたテーマのひとつなのですが、今回は情報リテラシーについて少し考えてみたいと思います。昔から地震や災害などが起きた際に必ずと言って良いほど出るのがデマです。情報網の発達する以前であればある種のデマは拡散と共に変異し消えてしまうこともありましたし、変異の過程で本来の意味と違ってしまったまま伝承される場合もあったと思います。テレビや新聞などのマスメディアからの情報からSNSなどを中心とした個人間の情報を広く共有する時代になりその伝播の速度と威力はますます大きくなっています。

そもそも情報リテラシーとは「情報を使いこなす能力を持つ」という意味です。私も以前大学で情報リテラシーの授業をお手伝いさせて頂いたことがありますが、残念ながら多くの大学では情報リテラシーの授業はPCリテラシーの授業になっているのが現状のようです。すなわち、情報を正しく扱うのではなくパソコンの利用方法を情報リテラシーとしてしまっている訳です。もちろんパソコンの扱いに長けることも重要ですが正しい情報リテラシーを身に着けることが今後はますます重要になって来ると考えています。

情報は様々な場所から入って来ます。新聞、テレビ、雑誌、近所の人の噂話だって情報です。その中でもっとも重要なメディアがインターネットです。主にSNSを中心として個人同士がつながり情報が共有できる時代です。インターネットは何でも調べることができます。それこそ近所の噂話だって検索の仕方によっては出て来ますし、遠い知らない国の情報だって取得することができます。

でも、その情報は正しいですか?ということが情報リテラシーの根幹だと思います。

個人的には正しいという言葉に普遍性を持たせることに意味を感じません。どこかのマンガで読んだものの受け売りですが「正義の反対は悪ではなくて、もう一つの正義」という言葉がありました。誰しも自分が間違っているとは思いませんし自分の意見と違えば相手が間違い(すなわち相手が悪い)と思います。昔の戦隊ヒーローのように正義VS悪の図式で世の中は成り立っていません。

情報も同じです。ある見方をすれば正しくもあり間違いでもある情報はたくさんあります。地球を平面だと信じている人達がいます。月にアポロが行ったのは嘘だという人もいます。UFOは存在するという人がいます。死後の世界があると言う人がいます。空を飛ぶ魔法が使える人がいます。これらをどこまで信じてどこから嘘だと思うかは人によって違う訳です。何を信じても人に迷惑を掛けなければ構わないと思いますが、人は自分の信じるものや期待する出来事を真実だと思いたい性質があります。

仮に地球が平面だと信じたとしましょう。それに基づきインターネットを検索してみてください。平面であるという証拠だとされる記事が沢山出てくると思います。多くの人が疑って見るでしょう。でも、それが真実であると思っている人には「ほら、やっぱり証拠があるじゃないか」となる訳です。

では、インターネットで情報を精査するにはどうしたら良いでしょうか?最近は検索のトレンドキーワードに流されてしまう傾向がありますが、無視して良いとは言いませんがトレンドになっている言葉は噂や根拠のないデマの発信源に容易になります。以前からコンセンサスを得られているかどうかを調べることは重要な要素です。そして多元的にみることも必要です。ひとつの情報だけで判断するのではなく複数の情報を調べ可能であれば反対意見のようなものも比較して調べることが重要です。そして1次情報を探すことも大事です。1次情報とは情報の発生元です。情報は伝播する際に変異します。小学生の頃に伝言ゲームをやったことのある方も多いでしょう。少ない人数でさえ伝播する際に情報は変異する訳です。これがネットで憶測も含めて広がればどう変異するかの予測は不可能です。

まとめるとこんな感じです。

・トレンドワードに流されない。
・複数の情報を調べる(最低でも賛成、反対、中立の3つの情報を比較すると良いでしょう)
・1次情報を探す

これだけを実施するだけでも正確な知識と情報を得る一助になると思います。

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