格安SIMのキッズ携帯(小1息子のスマホデビュー)

今年の4月に下の息子も小学校に入学しました。まだまだ親が付いていく場面が多いですがこれからは段々と友達同士での遊びも増えて親の目が届きにくくなって行くと思います。

小1に携帯電話など早いというお考えの方もいらっしゃると思います。そのお考えを否定はしませんし各ご家庭のご判断だと思います。うちの場合は以下のことから上の子のときもそうでしたが早くから連絡手段として携帯を持たせるように考えています。

  • 緊急時の連絡手段
  • GPSによる位置把握
  • 情報機器の操作を覚える

他にも理由はありますが主にこの3点が与える理由です。子供が外で遊んでいるときに困ったことがあったら連絡できる。そして、こちらから呼ぶことができる手段が必要です。また、危険な場所や子供が道に迷った場合などにGPSが役立ちます。さらに、中高生になってのスマホデビューですと親の言うことをあまり聞いてくれなくなっている可能性があります。小さいうちであればルールを守って適切に情報デバイスを扱う事を教える情報リテラシーにも繋がると思います。

逆に短所としては以下のことが考えられるので対策が必要です。

  • 勝手な使い方(ゲームなど)をされる
  • 費用が高額になる可能性がある
  • 親側に設定などのスキルが必要

勝手な使い方については前述のとおり事前にしっかりとした約束を取り交わして日ごろからルールが守られているかを確認する必要があります。また、間違えた使い方をする可能性もあるのでフールプルーフ(間違えた使い方をしても壊れない)的な設定も必要になります。具体的には電話機能以外は使えないようにするというような機能制限を行う必要があります。

前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

ドコモ、ソフトバンク、auのいわゆるキャリアからは子供用の携帯やスマホが販売されています。詳細は本題からはずれるので割愛しますが3社の状況はざっとこんな感じです。

月額基本料金 通話 GPS 本体価格
ドコモ 500円 家族間無料 200円/月額
検索1回5円
1万円前後
ソフトバンク 490円 家族間無料 200円/月額
検索1回5円
6,720円(みまもりケータイ)
18,720円(キッズフォン)
au 500円 家族間無料 無料 15,000円前後

この10月からはいわゆる2年縛りという契約がなくなっているものもありますが、本体価格を分割で支払うプランが多く基本料、GPS、本体分割払いを合わせて1,500円/月前後が必要になります。子供の安心が買えるなら必要な投資かもしれません。ただ、これらはいずれも親が同じキャリアに入っている必要があります。

我が家の場合ですが私と家内、上の息子(高1)がスマホを所持していますが、全員が格安SIM(MVNO:仮想移動体通信事業者)を利用しています。ちなみに月の通信費は3人合わせて6,000円ちょっとです。もしもキッズ携帯を導入するために私か家内がキャリアで契約をし直すとなると倍以上の支出になります。

位置情報だけの把握でしたらGPSのみのサービスもあります。これでしたら端末代金は5,000円前後、月額使用料は500円前後で使える格安のサービスもあります。ただ、あくまで位置情報だけなので通話機能はありません。しかもGPSは4機以上の人工衛星の位置と正確な内蔵時計が必要です。建物の中では格段に低くなりますし屋外であったとしても数10mから1Km程度の誤差が出ます。小さなデバイスでは人工衛星からの微弱な電波を拾うためのアンテナも期待はできないのでピンポイントで位置を特定するのは困難です。そして、今後の問題となりますが多くのGPSサービスが3G回線を利用しています。来年から5Gの運用がはじまることに伴って3Gのサービスは順次停止されることが予想されます。すなわち早ければ1年以内に使えなくなる可能性があります。

そこで私の息子(小1)へ持たせる携帯の条件は以下の通りです。

  • 親のキャリア変更はしない
  • 月額の使用料は1,000円以内
  • GPSが使える(大体の位置で構わない)
  • 親と通話できる
  • キッズ携帯のように小型で邪魔にならない
  • 4G回線の利用ができる

こうして条件を整理するとスマホを持たせる選択となりました。

スマホって高いんじゃないの?

そうですね。キャリアですと月額7,000円くらい掛かるケースが多いのではないでしょうか?ただ、格安SIM(MVNO)を利用すれば1,500円程度で済みます。それでも上記の予算をオーバーしてしまいます。

そこで通話機能(電話番号を持たない)データSIMを検討します。通信速度は低速でも大丈夫なので安いMVNOであれば300円/月台からあります。それでは通話ができないと思われるかもしれませんが、スマホなのでアプリが使えます。いわゆる無料通話アプリを利用すれば親子間での通話は問題ありません。

無料通話アプリの仕組みはVoIPと呼ばれる技術になりますが、簡単に言ってしまえば電話回線の代わりにインターネット回線を利用することで通話を行います。アプリ同士で通話を行うのでお互いに同じアプリをインストールする必要はありますが、通話料が無料なので外で操作ミスをして繋ぎっぱなしになっても電話代は掛かりませんし、間違え電話や他人に電話することもありません。検討した無料通話アプリは以下の3つです。

LINEは超有名アプリなのでご存じの方も多いと思いますし、使っている方も多いでしょう。親が使い慣れていますしLINE電話を利用すれば通話ができます。メッセージも残せるので候補として真っ先に挙げましたが却下しました。理由は「まだ早い」例えば息子がLINEを使えるようなったことを友達に自慢したりしたとします。友達も同じようにスマホを持ちたがりLINEで友達登録を勝手にしてくる…という流れが目に見えます。うちの子の情報リテラシーやマナーなどはまだ見てやれますが友達が絡むと非常にやっかいです。スマホなので将来的には使えるようにするとしても小学校低学年でのLINEは必要ないと思ってます。

次にSkypeですがアイコンが電話っぽくないので却下しました。息子にはあくまで両親としか繋がらない電話として持たせるので分かりやすいアイコンというのは重要です。メッセージ機能も必要ありません。

そこで採用したのはSkyPhoneです。機能は非常にシンプルで通話機能しかありません。発着信にはオリジナルの番号を利用するので勝手に誰かに電話するということができません。アイコンは一目で電話ですしもちろん通話もアプリも無料です。

スマホの設定としては勝手にアプリをインストールしたり、設定を変えたりできないようするためにGoogleファミリーリンクを利用します。この時点でスマホのOSはAndroidに決定です。Googleファミリーリンクを使えばアプリの制限、使用時間の確認、位置情報の確認(GPS対応スマホ要)などができるようになります。これでほぼ条件を満たしたことになります。

最後にスマホ本体を考えます。キッズ携帯のように子供のポケットに入るようなサイズの必要があります。そこで世界最小を謡うUnihertz Atomが良いんですがなにせ価格が3万円弱。仮に2年使う前提で考えても24で割ると1,250円/月となり予算オーバーです。そこで旧機種ですが同じUnihertzから発売されていたJelly Proを中古で手に入れることにしました。これなら4Gにも対応しますし、子供に持たせてどうせすぐに傷も付くので中古のB級品で大丈夫。実勢価格は1万円前後なので2年使う前提で月額換算420円程度で済みますのでデータSIMの月額利用料を入れても月額1,000円以内の目標は達成出来そうです。

手に入れたJelly Proの写真ですがほんとに小さいです。上の子には小2のときに当時入っていたキャリアのキッズ携帯を持たせていましたがそれよりも小さいくらいです。

結局、下の子のスマホ構成はこんな感じになりました。

種別 商品名等 価格 備考
スマホ本体 jelly pro 10,570円 中古(4G、GPS対応)
回線業者 楽天モバイル 577円/月 データSIMプラン(4G)
通話 SkyPhone 0円
位置情報 ファミリーリンク 0円
機能制限 ファミリーリンク 0円

2年間の使用で考えると1,077円/月という計算なるので若干の予算オーバーになりましたが、月に1本缶ジュースを我慢すればお釣りがくる誤差なので良しとすることにしました。

回線業者をロケットモバイルにすれば327円/月のプランもあるのでさらに減額も可能です。楽天モバイルにしたのは私が使っている回線という理由だけです。速度や元回線(ドコモ)は同じなので他の回線業者でも恐らく問題ないと思います。

上記以外の追加費用として回線登録の際の事務費用が3,000円ちょっと掛かりまして、さらに元々小さくて電池の持ちが悪いスマホなのですが、中古で電池が劣化していてフル充電でも3時間程度しか持たなかったので2,000円くらいで替えの電池も買いました。この辺は計算外だったのでもう少しリサーチが必要だったかもしれません。

データ通信は使い放題プランです。速度は200Kbpsとめちゃくちゃ遅い(普通のスマホが速度制限されている際の速度です)ですが通話アプリでは200Kbpsもあれば十分に使えるので使用用途には問題ありません。

GPSは予想通り正確な位置把握が難しいですが、GPSの位置情報を取得するタイミングを頻繁にしたり、NTP(ネットワークタイムサーバー)との同期する頻度も電池消費のバランスを取りながら適正化すればある程度使えそうです。

スマホの本体代金は既に決済しましたので実際のランニングコストとして来月から増えるのは600円弱です。家族4人全員スマホ持ちで合計金額が7,000円/月以下ですのでキャリア契約していた時の1台分で済んでいるのは助かります。

早速、息子の使い方を教え家や近くの公園から私や家内に電話をしたり、受けたりする練習をしています。まだ、少しうまく扱えずに電話のやりとりがスムーズにできない場面もありますがすぐに上手に使えるようになると思いますし、GPSで大体のいる場所が分かるだけでも助かりますね。

それぞれのご家庭の事情もあると思うので決して私の採用した方法が万民向けの唯一の解決方法でないことは十分に知っていますが参考になる方がいらっしゃれば幸いです。

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